営業先の架電リストの作成工数が3分の1に削減。「集計」で手一杯だった体制が「データ活用」までできる環境に改善


- 事業拡大に伴ってExcelでのデータ管理が限界を迎え、複数エリアのデータが重複・混在していた
- 膨大なデータの整理と集計に追われ、戦略的なデータ分析や客観的なデータに基づくマネジメントが困難だった
- 営業リストの作成時間が3分の1に削減
- データ集計で手一杯だった現場が、分析業務まで実施できるようになった
- 営業活動のプロセスが可視化され、KPIに基づいたマネジメントが可能になった
Salesforce導入に至った背景や当時抱えられていた課題についてお聞かせください。
弊社は独自の営業手法で不動産事業を展開しています。少人数の営業で運営していた段階では、システム化の必要性を強くは感じていませんでした。しかし、事業が成長して人員や一度コンタクトをとった物件所有者に再架電をするケースが増えるにつれて、従来のExcelでのデータ管理が限界を迎え始めました。
例えば、複数の都市で事業を展開する中で、それぞれのデータが混在して異なるファイル間で所有者情報が重複したり年代によって入力データの形式が違ったりと、次第に収拾がつかない状態になっていきました。不動産では、1人の所有者が複数の物件を持っていることもあれば、反対に1つの物件を複数人で所有しているケースもあります。業界特有の複雑な構造によって、Excelでの管理と傾向分析が困難なものとなっていきました。
この段階で私たちが直面していたのは「顧客管理」よりも「膨大なデータの整理と一元化」という課題です。そこで、つぎはぎとなっていたExcelのデータを整理するためにSalesforceの導入を検討し始めました。

課題を解決するために、なぜSalesforceを選ばれたのかお聞かせください。また、Salesforce以外に、検討したツールが他にありましたら合わせてお聞かせください。
Salesforceが選択肢に上がったきっかけは、当時入社した管理部門責任者の推薦です。その責任者は前職でSalesforceの導入を検討した経験があり「これだけ多くのデータを扱っているなら、Salesforceを導入すると管理が効率化できます」と提案してくれました。
Salesforceというツールは知っていましたが、大企業が導入するものという先入観が強く、当時まだ社員数が5名程度だった弊社で効果的に活用できるのか懐疑的な面もありました。しかし、弊社の代表がデータ活用に対して前向きで、事業の将来性を考えた際にSalesforceによる営業の仕組みづくりは必須だと感じ、導入の話が進みました。
また、当時すでに社内で活用し、定着していた電話営業活動を自動で記録するCTIサービスである「MiiTel Phone」との親和性の高さも、Salesforce導入を後押しした理由の1つです。具体的に「MiiTel Phone」の架電データと顧客情報を連携できると聞き、これまで分断されていたデータを一元管理できる未来に期待が持てました。
knouによるプロジェクト進行や構築環境の満足度はいかがでしょうか。
プロジェクトの開始前は、期待よりも不安の方が大きかったというのが率直なところです。Salesforceを導入すれば、さまざまなグラフが表示され、次にアプローチすべき顧客を教えてくれるといった抽象的なイメージはありました。しかし、それが実際の業務にどのような効果を与えるものなのかといったイメージまでは湧いていませんでしたね。
しかし、knouさんへの満足度は、これ以上ないほど高いものとなっています。担当の方は技術面でもコミュニケーション面でも安心感がありました。実装面で何か問題が起きても「この人に聞けば必ず解決する」という信頼感がありましたし、プロジェクトマネジメントの面では弊社の意図をスピーディーかつ的確に汲み取って「そのケースは、こうすれば実現できますね」と常に最適な道筋を示してくれました。
プロジェクト開始前に、弊社がSalesforceに関する知見が少ないことを伝えたこともあり、目線を合わせて進行していただけた点にも満足しています。

Salesforceを具体的にどのように活用されているか、お聞かせください。
弊社では、Salesforceを大きく「ダッシュボードでのデータの可視化」「架電リストの作成・配布」「データ集計」という3つの方法で活用しています。
その中で、最も効果を発揮しているのは「架電リストの作成・配布」業務の効率化です。以前はExcelで管理していた架電リストを営業担当者に配布する作業に30分から1時間ほどかかっていました。Salesforce導入後は、システム上で担当者を割り当てるだけになり、わずか15分程度で完了します。体感としては、作業時間が3分の1以下になりました。
Salesforceの価値は、業務の質を高めることにあると感じています。これまでの業務は、日々の営業データをExcelにまとめて集計するだけで手一杯でした。その結果、本来やるべき「分析」や「課題発見」にまで至っていませんでした。
Salesforceを導入した今では、データの集計が自動化されたことで、初めて「分析」に時間を使えるようになっています。具体的には「次はどのエリアに営業をかけるとよいのか」「なぜこの担当者は成果が出ているのか」といったことを、客観的なデータに基づいて分析できています。
また、商談化に至るまでのプロセスもSalesforceで「架電数」「通話数」「有効通話数」「訪問許可数」といったKPI を用いて一元管理できており、営業活動の量と質を客観的に評価する文化が生まれました。データが分断され、つぎはぎのExcelファイルを見比べていた頃よりも、マネジメントの質が確実に向上しています。
弊社カスタマーサクセスによる定着化支援について内容やその満足度についてお聞かせください。
knouさんの素晴らしいところは、弊社独自の事業モデルを深く理解し、要望に合わせて柔軟にシステムをカスタムしてくださる点です。
特に「MiiTel Phone」との連携における機能開発では、とても助けられました。弊社は膨大な数の架電を行いますが、その中には数十秒で終わってしまう通話など、分析対象とする必要のないデータも多く含まれます。それらを一つひとつ手作業で分類するのは非効率です。そこで「通話時間などの条件から、分析不要な通話データを自動で判定・除外する機能がほしい」という、他社ではあまりないと思われる要望を出しました。
knouさんはこの要望の意図を正確に汲み取り、見事に実装してくださいました。これにより、私たちは本当に価値のある対話の分析に集中できるようになり、営業活動の質向上に繋がっています。このように、私たちが「こういうことを実現したい」と漠然とした要望を投げかけると「それはこういうことですよね」と本質を捉え、最適な形で実現してくれます。その深い業務理解と技術力には、常に助けられています。
今後のDX、業務改革、生産性向上について貴社での展望をお聞かせください。
今後の目標は、架電リストの「質」を徹底的に高めていくことです。私たちの営業リストには、すでに物件を売却された方や、そもそもご本人ではないケースなどが含まれています。こうした、次に電話をしても意味のない情報をSalesforce上の活動履歴から判定し、リストから除外していく仕組みを強化していきたいと考えています。もちろん、一度断られても期間を空けることで状況が変わり、商談に繋がるケースも多いため、その見極めは慎重に行う必要があります。
次に取り組みたいのが、営業リストの「ランク分け」です。過去の通話内容や反応の良し悪しに応じてリストを評価・分類し、適切な営業担当者を割り振るといった戦略的な活用を目指しています。
これまでは営業活動の「量」を追い求めるフェーズでしたが、今はSalesforceによって営業活動の基盤が整いました。これからは営業活動の「質」も高め、より成約確度の高いアプローチを実施していくフェーズに移行していきたいと考えています。

株式会社knouの魅力は貴社においてどのように感じられておりますでしょうか。
knouさんは不動産業界におけるSalesforce導入でトップクラスの実績を誇っています。その実績がもたらす安心感は大きく、「knouさんができると言えばできるし、できないと言えば本当に難しいのだろう」と思えるほどの信頼を寄せています。
そして何より、担当の方々が非常に話しやすく、私たちの事業に対する理解度が驚くほど高いのが嬉しい点です。弊社の意図をすぐに理解してくれるので、コミュニケーションが非常にスムーズに進みます。knouさんはSalesforceの導入だけを支援してくれるのではなく、弊社の事業を深く理解し、成功に向けて最適な環境を構築してくださるパートナーであり仲間です。
※上記は2025年8月の情報です。